玄関オートロックのある生活を送っている中で、誰しもが一度は経験する、あるいは最も恐れているのが、鍵を持たずに外に出てしまいドアが閉まってしまう締め出しトラブルです。特に、オートロック機能を後付けしたばかりの時期や、引越し直後の不慣れな環境では、このミスが頻発します。もし実際に締め出されてしまった場合、まず最初に行うべきはパニックを鎮め、現状で利用可能な手段を冷静に整理することです。スマートロックを利用している場合であれば、まずはスマートフォンの有無を確認します。スマホを手に持っているのであれば、アプリから解錠できる可能性が高いですが、スマホ自体を室内に置いたままの場合は、さらに深刻な状況となります。マンションであれば、まずは管理事務所やコンシェルジュ、あるいは管理会社に連絡を入れるのが王道です。多くの管理会社はマスターキーを保管しており、本人確認が取れれば解錠に対応してくれます。ただし、深夜や休日の場合は対応に時間がかかったり、高額な出張費用を請求されたりすることがあります。また、賃貸物件の場合、大家さんが近くに住んでいれば、事情を説明して予備の鍵を借りることも1つの手です。しかし、これらはあくまで管理側が物理的な鍵を持っている場合に限られます。最近の個人用スマートロックは、管理側が鍵を持っていない設定にしていることも多いため、その場合は管理会社でも対応できません。自力での解決が困難な場合、最終的な手段として鍵開け専門の業者に依頼することになります。電話1本で現場に急行し、特殊な工具を用いて解錠してくれますが、玄関オートロック、特に防犯性能の高いディンプルキーや電子錠の場合は、解錠難易度が非常に高く、数万円の費用がかかることを覚悟しなければなりません。また、無理に窓から侵入しようとしたり、ドアをこじ開けようとしたりすることは、怪我のリスクがあるだけでなく、賃貸物件であれば多額の修繕費用が発生するため、絶対に行うべきではありません。こうした悲劇を未然に防ぐためには、日頃からの備えが何よりも重要です。最も効果的な対策は、解錠手段を複数用意しておくことです。スマートフォンだけでなく、暗証番号を入力できる外付けのパッドを導入すれば、たとえ手ぶらで外に出ても番号さえ覚えていれば自力で戻ることができます。また、指紋認証ユニットの増設も、物理的な鍵やスマホに依存しないため、非常に有効な締め出し対策となります。アナログな手法としては、信頼できる知人や実家に予備の鍵を預けておく、あるいは職場のデスクの中や自家用車の中といった、自分だけがアクセスできる外部の場所に物理的なスペアキーを隠しておくことも、古典的ですが確実な方法です。玄関オートロックは、一度その便利さを知ると戻れない素晴らしいシステムですが、それは常に締め出しのリスクと隣り合わせであることを忘れてはいけません。ゴミ出しに行く時、新聞を取りに行く時、宅配便を受け取る時。ほんの数歩の外出であっても、必ず解錠手段を身につけることを鉄則としてください。