好奇心旺盛な子供は、大人が予期しないような行動をします。特に、歩き始め、走り回るようになった幼児期には、家の中のあらゆる場所が、彼らにとっては探検の対象です。そんな時、親として心配になるのが、危険なものが置いてある部屋や、入ってほしくない部屋への侵入です。例えば、キッチンには包丁や火があり、洗面所には洗剤や薬品があります。書斎には、触られたくない重要な書類や高価な機材があるかもしれません。しかし、これらの部屋のドアに、必ずしも鍵がついているとは限りません。子供の安全を守り、親の心配を減らすために、鍵のない部屋に、後付けで簡易的なロックを設置することは、非常に有効な安全対策となります。子供向けの安全対策として鍵を選ぶ際に重要なのは、「子供には開けられず、大人には簡単に開けられる」という絶妙なバランスです。緊急時に、大人がすぐに部屋に入れないようでは、かえって危険です。この観点から、最も手軽で人気なのが、「ドアノブカバー」です。これは、丸いドアノブ全体を覆ってしまうプラスチック製のカバーで、カバーの両側にあるボタンを同時に押しながらでないと、中のドアノブが回せない仕組みになっています。小さな子供の手では、この「両側を同時に押しながら回す」という複合的な動作は非常に難しく、効果的にドアを開けるのを防ぐことができます。大人は、片手で簡単に操作できます。また、ドアとドア枠に、両面テープで貼り付けて固定するタイプの「キャビネットロック(チャイルドロック)」も、室内ドアに応用できます。二つのパーツを、ドアを閉めた状態で橋渡しするように貼り付け、ボタンを押したり、スライドさせたりしないとロックが外れない仕組みです。これらは、ベビー用品店やホームセンター、100円ショップなどで、様々な種類が安価に手に入ります。これらの簡易ロックは、あくまで子供の「いたずら」を防ぐためのものであり、大人が本気で開けようとすれば、簡単に突破できてしまいます。しかし、幼い子供の予期せぬ行動から、一瞬の危険を遠ざけるためには、十分すぎるほどの効果を発揮します。子供の成長に合わせて、家の中の安全対策も、柔軟に見直していくことが大切です。