シリンダー交換は、住まいの防犯性を大幅に向上させる効果的な手段です。特に、防犯性の高いシリンダーを選ぶことが重要になりますが、その際に一つの大きな目安となるのが「CPマーク」です。CPマークとは、「Crime Prevention」の頭文字を取ったもので、警察庁、国土交通省、経済産業省、そして関連する民間団体が共同で創設した「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」が定める厳しい防犯試験をクリアした建物部品(錠、ガラス、ドア、サッシなど)にのみ表示が許可されるマークです。つまり、CPマークが付いているシリンダー(錠前)は、一定以上の防犯性能を持っていることが公的に認められているということになります。CPマーク認定の錠前は、ピッキング(特殊な工具による不正解錠)、カム送り解錠(バイパス解錠の一種)、サムターン回し(ドアの隙間から工具を入れて内側のツマミを回す手口)、こじ破り(バールなどによる破壊)といった、空き巣犯が用いる様々な手口に対して、侵入に5分以上の時間を要する(=侵入を諦めさせる可能性が高い)ように設計・試験されています。シリンダー交換を検討する際には、このCPマークが付いている製品を選ぶことを強くお勧めします。CPマークは、製品本体やパッケージ、カタログなどに表示されています。ただし、CPマークが付いていれば絶対に安全というわけではありません。あくまで一定の基準をクリアした製品であるという証であり、より高度な手口や、時間をかければ破られる可能性もゼロではありません。しかし、CPマークのない製品に比べれば、格段に高い防犯効果が期待できます。シリンダー交換で防犯性を高めたいと考えるなら、CPマーク認定品の中から、ディンプルシリンダーなど、さらにピッキングに強い構造のものを選ぶと、より安心でしょう。専門の鍵業者に相談し、自宅のドアの状況や予算に合わせて、最適なCPマーク認定シリンダーを選んでもらうのが賢明です。