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後付けキーレス!古い車も便利になる?
現在乗っている車にキーレスエントリーシステムが付いていない、あるいは付いていてもリモコン機能がないといった場合に、「後付けでキーレス化できないだろうか」と考える方もいるでしょう。結論から言うと、多くの車種で後付けのキーレスエントリーシステムを取り付けることは可能です。後付けキーレスキットは、カー用品店やインターネット通販などで様々な種類のものが販売されており、比較的安価なものから高機能なものまで幅広く選ぶことができます。基本的な仕組みは、車両のドアロックモーターに連動する受信機(コントロールユニット)と、電波を発信するリモコンキーで構成されます。リモコンキーのボタン操作で、ドアの施錠・解錠ができるようになります。製品によっては、アンサーバック機能(ハザードランプ点滅や音で操作を知らせる)や、トランクオープナー機能、サイレン機能などが付いているものもあります。後付けキーレスのメリットは、何と言っても利便性の向上です。鍵穴に鍵を差し込む手間が省け、雨の日や荷物が多い時などに非常に助かります。また、旧型の車でも、現代の車のような快適装備を手軽に追加できるという満足感も得られるでしょう。ただし、取り付けにはいくつかの注意点があります。まず、製品が自分の車種に適合しているかを確認する必要があります。ドアロックシステムの方式(アクチュエーターの有無など)によっては、取り付けが困難な場合や、追加の部品が必要になる場合があります。次に、取り付け作業には、ある程度の電気系統の知識と配線作業のスキルが求められます。配線を誤ると、車両の故障の原因になったり、最悪の場合、火災を引き起こしたりする可能性もあります。そのため、DIYでの取り付けに自信がない場合は、無理をせず、自動車整備工場やカー用品店の取り付けサービス、あるいは電装専門の業者に依頼するのが賢明です。費用はかかりますが、確実かつ安全に取り付けてもらえます。後付けキーレスは、古い車に新たな価値と利便性をもたらしてくれる魅力的なカスタムの一つと言えるでしょう。
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バイクの鍵を全紛失!元鍵なしからの作成
ツーリング先や自宅の駐車場で、愛車のバイクの鍵を、スペアキーも含めて全てなくしてしまった。エンジンもかからず、ハンドルロックも解除できず、タンクの給油口も、メットホルダーも開けられない。そんな、ライダーにとって悪夢のような状況でも、解決策はあります。元鍵が一本もない状態からでも、バイクの鍵を作成することは可能です。その方法は、主に二つ。現場で解決する「鍵屋への依頼」と、時間をかけて確実に行う「ディーラーへの依頼」です。まず、ツーリング先で立ち往生しているなど、緊急性が高い場合に頼りになるのが、「出張専門の鍵屋」です。彼らは、電話一本で現場まで駆けつけ、その場で「鍵穴から鍵を作成する」という、高度な技術で問題を解決してくれます。イグニッション(メインキー)の鍵穴から、内部の構造を読み取り、キーマシンで新しい鍵を削り出します。イモビライザーが搭載されている車種であっても、多くの専門業者は、その場で新しいキーのID情報を車両のコンピューターに登録する設備と技術を持っています。レッカーを手配する必要がなく、数時間で再びバイクに乗れるようになるそのスピードは、何物にも代えがたいメリットです。ただし、費用は高額になる傾向があり、一般的なバイクで20,000円から、イモビライザー付きであれば50,000円以上かかることもあります。一方、時間に余裕があり、より確実で安心な方法を求めるなら、「バイクディーラー」に依頼するという選択肢があります。この場合、まず、鍵がないバイクを、レッカーサービスなどを利用してディーラーまで運ぶ必要があります。そして、車体番号や、購入時に渡されたキーナンバータグなどから、メーカーに純正キーを注文します。手元に届くまでには数週間かかりますが、メーカー製造の100%正確な鍵が手に入ります。ただし、もしキーナンバーが不明な場合は、キーシリンダーを丸ごと交換するという、さらに大掛かりで高額な修理になる可能性があります。特に、イモビライザー搭載車で、メインのキーシリンダーを交換するとなると、ECU(エンジンコントロールユニット)の交換も必要となり、費用は十数万円に及ぶこともあります。どちらの方法を選ぶにせよ、バイクの鍵を全てなくすという事態が、いかに深刻であるかがお分かりいただけたでしょう。
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キーレスとセキュリティ!進化する盗難防止技術
キーレスエントリーシステムやスマートキーは、利便性だけでなく、車両のセキュリティ向上にも大きく貢献してきました。その背景には、進化し続ける盗難防止技術があります。従来の物理的な鍵は、鍵山の形状さえ合えば解錠できてしまうため、ピッキングや合鍵の不正作成といったリスクがありました。しかし、キーレスシステムでは、キーと車両の間で「ローリングコード(ホッピングコード)」と呼ばれる暗号化技術が用いられることが一般的です。これは、キーのボタンを押すたびにIDコードが変化する仕組みで、一度使用されたコードは二度と使えないため、コードグラバーなどによる電波の傍受・複製を困難にし、不正な解錠を防ぎます。さらに、スマートキーシステムでは、より高度な暗号化技術や、キーと車両の双方向通信による認証が行われるため、セキュリティレベルはさらに高まっています。そして、キーレスシステムと連携して非常に重要な役割を果たしているのが「イモビライザー」です。これは、キーに内蔵されたICチップのIDコードと、車両側のコンピューターに登録されたIDコードが一致しない限り、エンジンを始動できないようにする電子的な盗難防止装置です。たとえ何らかの方法でドアを開けられても、正規のキー(電子認証)がなければエンジンがかからないため、車両盗難を効果的に防ぎます。しかし、犯罪者の手口も巧妙化しており、スマートキーの微弱な電波を中継して車を盗む「リレーアタック」や、車両のCAN(Controller Area Network)システムに侵入して不正にキーを登録する「CANインベーダー」といった新たな脅威も登場しています。これに対し、自動車メーカー側も、スマートキーの電波を遮断する機能(節電モード)を搭載したり、車両側のセキュリティシステムを強化したりといった対策を進めています。また、ユーザー側でも、スマートキーを電波遮断ケースに保管する、ハンドルロックなどの物理的な盗難防止装置を併用するといった自衛策が求められています。キーレスとセキュリティ技術は、いたちごっこのように進化を続けており、常に最新の情報を把握し、適切な対策を講じることが、愛車を守るために不可欠です。
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キーレスの電波範囲と効果的な使い方
キーレスエントリーシステムやスマートキーは、電波を利用して車両と通信し、ドアの施錠・解錠などを行いますが、その電波が届く範囲(作動範囲)には限りがあります。この作動範囲を理解し、効果的に使うことが、キーレスの利便性を高める上で重要です。一般的に、キーレスエントリーシステム(リモコンキーのボタン操作で施錠・解錠するタイプ)の電波到達距離は、数メートルから数十メートル程度と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、キーの電池残量、周囲の電波環境(障害物の有無や他の電波との干渉)、天候などによって大きく変動します。例えば、キーの電池が消耗していると電波が弱くなり、作動範囲が狭まります。また、建物や他の車両などの障害物があると電波が遮られやすくなりますし、強い電波を発する施設の近くでは電波干渉によって反応が悪くなることもあります。一方、スマートキーシステム(キーを携帯しているだけでドア操作やエンジン始動ができるタイプ)の場合、車両がキーの存在を検知する範囲は、通常、車両から半径1メートルから1.5メートル程度と、キーレスエントリーよりも近距離に設定されています。これは、誤作動を防ぎ、セキュリティを高めるためです。効果的な使い方としては、まず、キーの電池残量に常に気を配り、定期的に交換することが挙げられます。電池が新しい状態であれば、安定した電波強度を保ちやすくなります。また、操作する際には、できるだけ車両に近づき、アンテナの位置(車種によって異なりますが、一般的にはドアミラー付近や車内にあることが多いです)を意識すると、より確実に反応しやすくなります。障害物が多い場所や、電波環境が悪いと思われる場所では、特に車両に近づいて操作するようにしましょう。もし、キーレスが反応しない場合は、慌てずに少し場所を移動してみたり、キーを車両のアンテナに近づけてみたり、あるいはメカニカルキーを使用するなどの対処法を試みてください。電波の特性を理解し、状況に応じて適切に対応することが、キーレスを快適に使いこなすためのポイントです。